同録で“音の失敗”をなくす:撮影現場の実践ガイド

同録スタジオでの音声収録

映像を撮りながら、その場の音も同時に“本番録音”することを同録(どうろく)と言います。インタビュー、対談、ライブ配信、セミナー収録など、編集で差し替えにくい「空気感」が大事な現場で特に有効です。

同録のメリット

  • 編集が速い:映像と音が揃っているので後工程が軽い
  • 臨場感が出る:距離感や反響、観客の反応まで含めて残せる
  • 撮って出しに強い:配信や即日納品に向く

注意点(ここで品質が決まる)

同録の失敗原因はほぼ「音量管理」と「環境音」。まず“口元に近いマイク”が鉄則です。ピンマイク(ラベリア)かブームで狙い、カメラ内蔵マイク頼みは避けましょう。屋外ならウインドジャマー必須。ワイヤレスは便利ですが電池切れや混信があるので、有線予備や二台運用(送信機を二系統)でリスクを下げます。

次にレベル。大声のピークで歪まないよう、ピークは-12dB前後を目安に設定し、ヘッドホンで常時モニターします。可能なら録音機でバックアップを取り、カメラにも別系統で入れると安心です(“二重化”が現場を救います)。複数人ならミキサー/レコーダーで各チャンネルを個別収録しておくと、編集で声量差を整えやすくなります。

現場で効く手順

  1. 録音前に10秒の無音を取る(ノイズ確認と編集で役立つ)
  2. 「テスト→本番」ではなく、テストも本番も同じ設定で
  3. 開始時に手拍子/カチンコで同期点を作る(時間があればタイムコード同期も強い)
  4. 部屋鳴り対策に吸音材やカーテンを活用、エアコンは可能なら停止
  5. 収録直前チェック:マイク位置/電池残量/録音ランプ/SD残量/機内モード

編集のコツ

音が良いと映像が“上手く見える”と言われます。EQでこもりを整理し、軽いコンプで声を安定、最後にリミッターで安全に整えます。ノイズ除去はやり過ぎると不自然になるので、まず収録で勝つこと。

ちなみに定番構成は「ピンマイク→レコーダー(またはミキサー)→カメラへライン入力」。カメラ側は安全のために入力感度を少し低めにし、レコーダー側でしっかり管理すると安定します。現場で迷ったら“口元に近い”“歪ませない”“必ず聞く”。この3つだけ守れば、同録は怖くありません。